おはようございます。

神戸を中心に活動している公認会計士の押田大輔です。

いつもブログをお読み頂き、ありがとうございます。

今回のブログは経営者保証についてです。

中小企業が金融機関から融資を受ける場合は、ほとんどのケースで代表取締役個人が連帯保証をしていました。

これを「経営者保証」といいます。

当然のように行われていた経営者保証ですが、平成26年1月から適用されている「経営者保証に関するガイドライン」に基づき経営者保証が付されない方法を考えます。

 

経営者保証の現状

商工会連合会が実施した調査によると、経営者保証が行われているのは1,515社中1,280社と84.5%に上っています。

そして冒頭で述べました「経営者保証に関するガイドライン」の適用によって経営者保証が解消したケースは別の調査では301社中12社もあったそうです。

一方、30%超の企業がガイドラインの内容を知らないという報告も上がっており、まだまだ認知度は高いとは言えないようです。

大きな設備投資をする場合には経営者保証が存在することで積極的な投資をやめてしまう場合もあります。

また、業績が悪くなった場合には経営者は全財産を奪われてしまいます。

 

そこで経済活性化のためにも一定の条件を満たすことで経営者保証がつかない融資が促進されています。

 

経営者保証を付さない資金調達の条件とは

経営者保証に依存しない資金調達を受けるためには経営状況に次に記載している条件を満たしていることが必要となります。

 

①法人と経営者の関係に明確な区分・分離があること

②財務基盤が強化であること

③財務状況の適切な把握、情報開示による経営の透明性が確保されていること

 

①については例えば個人で消費した飲食費などの費用を法人の経費処としていないこと、事業に必要な本社・工場等は経営者個人の名義とはせずに法人名義とすることなどが求められます。

 

また、②については返済に十分な利益を計上しており内部留保を蓄積していることが求められます。

 

最後に③については決算関係書類の提出に加えて、適時に試算表や資金繰り表の報告が求められます。

 

上記の3要件を最低限満たすことが経営者保証を解消する近道となります。

 

まとめ

先ほど述べました3要件は健全経営をしている企業なら当然目指している方向性です。

過度な節税、法人と経営者の未分離の状況では経営者保証から脱出できません。

正しい経営・誠実な経営をして、家族のためにも経営者保証を解消する方向へ向かうことが大切なのだと思います。