法人化サポート ”2つの法人化のパターン”

 法人化のきっかけ

「事業規模も大きくなってきたからそろそろ法人化したい」

「節税対策になるらしいので法人化したい」

「将来的に法人化も考えているけどメリットはあるの?」

 

などなど、「農業の法人化」といってもその理由や目的は様々です。

 

整理して理解するため、農業の法人化パターンを次の2パターンに分けてご説明します。

①すでに農業をしている農業者が法人成りするケース

②他業種の法人が農業に進出するケース

 

まず、①の農業者が法人成りする場合ですが、実際に法人成りした農業者はどのような理由であったのでしょうか?

実務上、法人成りする理由としては下記の4点に大別されます。

1.税金対策

2.業務拡大(法人化により新規取引先への信用度アップへつなげる)

3.人事対策(法人化し福利厚生を充実させることで優秀な人材を確保)

4.融資対策(法人化により融資の審査に有利)

 

これらは法人成りするメリットとも言えます。

農業者が法人成りする場合は、法人化の理由を明確にし将来進むべき方向性を決めていくことが重要となってきます。

 

一方、他業種から農業に進出する場合、農地を解除条件なしの契約で借りようとする場合所有権取得することも視野に入れているのであれば、農業生産法人として要件を整えることに注意して設立計画を立てることが重要となります。

すでに農業をしている方であれば農業生産法人の要件を当然に満たしている場合であっても、他業種にとってはそうでない場合もあります。慎重に検討していくことが重要です。

 

農業法人と農業生産法人 

農業を行う法人として次の2つの名称がありますので整理しておきましょう。

①「農業法人」

②「農業生産法人」

 

どちらも法人形態で農業を行っていますが、違いは「農地を使用して農業を行っているか」によります。

農業法人は水耕栽培など、農地を使わず農業を行っている法人を含みます。

これに対し、農業生産法人は農地を使用して農業を行うことができる法人をさしますので、一定の要件を満たす必要があります。

 

農業生産法人とは?

農業生産法人とは、法人組織で農業を行う組織のうち、「農業経営を行うために農地を取得できる法人」のことを言います。

 

農業生産法人の要件とは?

株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・農事組合法人などの法人組織は、次の要件を満たせば農業生産法人になることができます。

①事業要件

⇒法人の農業に関連する売上が、年間売上の半分を超えている事

②構成員(出資者)要件

⇒出資者は以下の者に限られます。

  1. 農地の権利提供者
  2. 農業に常時従事する者
  3. 地方自治体・農業協同組合
  4. 法人等から物資の提供をうける者(スーパー・生協・食品加工業者など)

従って、出資だけをする構成員がいる場合は、農業生産法人にはなれません。
また4.の占める割合は、全出資者の4分の1以下でなければなりません。

③経営責任者要件

⇒法人役員の過半数は、法人の農業に常時従事すること。

またそのうちの過半数は、農作業(耕うん・播種・水管理等の現場農作業)に従事すること

 

現実には、構成員(出資者)が最も厳しい要件になりますので、将来の構成員(出資者)を見据えた上で、農業生産法人の手続きをすることが重要です。

(注)上記②構成員要件と③経営責任者要件は平成27年に緩和される見込みです。

課題と方向性を明確に

冒頭でも述べましたが、個人の農業者や任意の組合(LLP)、人格なき社団(みなし法人)であっても、まずは現状を把握し、課題と方向性を明確にすべきです。

そして、方向性の選択肢のひとつとして、法人化(農業生産法人)があると言えます。

法人化を否定するつもりは全くありませんが、法人化ありきで話を進める事は、必ずしも正しい結果に結びつくとは言えません。

弊所では、お客さまのご要望をしっかりとお聞きした後に、法人化の手続きに移ります。

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