おはようございます。

神戸を中心に活動している公認会計士の押田大輔です。

いつもブログをお読み頂き、ありがとうございます。

今日は値決めの重要性についてです。

稲盛和夫さんは値決めは経営そのものとおっしゃっていますが、会計の側面から値決めの重要性について考えてみます。

 

10%の値引きと10%の販売数量減少は同じ意味でしょうか?

10%の値引きと10%の販売数量の減少。どちらも売上高が10%減少するので利益も10%減少すると思いますが、実は全然違います。

実際に数字例を挙げて考えてみます。

 

販売単価:50

仕入単価:25

販売数量:20

経費:400

利益=(販売単価ー仕入単価)×販売数量-経費

  =(50-25)×20ー400=100

 

以上の前提で販売単価と販売数量がそれぞれ10%減少した場合に利益がどう変化するか見てみます。

変わったところを赤色で書くことにします。

【販売単価が10%減少した場合】

販売単価:45

仕入単価:25

販売数量:20

経費:400

利益=(販売単価ー仕入単価)×販売数量-経費

  =(45-25)×20ー400=0

 

【販売数量が10%減少した場合】

販売単価:50

仕入単価:25

販売数量:18

経費:400

利益=(販売単価ー仕入単価)×販売数量-経費

  =(50-25)×18ー400=50

 

数字で表すと分かりやすいですね。

販売単価が10%減少すると利益がなくなってしまいましたが、販売数量が10%減少した場合は利益が50残っています。

結論は全く異なったものになりました。

 

販売単価が最も敏感

先ほどご紹介した例は販売単価と販売数量がそれぞれ10%減少した場合に利益がどう変化するかを見ました。

他に、仕入単価が10%上昇する場合、経費が10%増加する場合に利益の変化はどうなるかも合わせて言いますと、

 

販売単価10%減少⇒利益0

販売数量10%減少⇒利益50

仕入単価10%上昇⇒利益50

経費10%増加⇒利益60

となります。

 

つまり、販売単価の変化が利益に与える影響が最も大きいことになります。

今回ご紹介した例は粗利率が50%のケースでしたが、どのような利益構造であっても必ず販売価格が一番敏感に利益に影響します。

ただし利益構造によってとる戦略(価格戦略なのか数量戦略なのか)は変わってきますので注意が必要です。

 

まとめ

数字で表すとはっきりわかるので面白いですね。

今回の考え方を応用して色々なことをシミュレーションして考えることが出来ます。

例えば、

「利益を10%増やすために必要な販売数量の増加や販売単価の変動額はどうすべきか」

「仕入単価が上昇した場合に目標利益を維持すべきにはどの項目にどのような手を打てばよいのか」。

これらを数字で表していけることが未来会計です。

弊所がご提供する会計図表はとてもシンプルで分かりやすく未来会計をシミュレーションできます。