おはようございます。

神戸を中心に活動している公認会計士の押田大輔です。

いつもブログをお読み頂き、ありがとうございます。

今日は前回から引き続き中小企業のためのマイナンバー制度のポイントについてです。

今回はマイナンバーの「利用・提供」と「保管と廃棄」についてです。

前回のブログはこちら ⇒ 中小企業のためのマイナンバー【ルール①】

 

マイナンバー4ヶ条のおさらい

マイナンバー4ヶ条

 ① 取得のルール  ② 利用・提供のルール
 ③ 保管・廃棄のルール  ④ 安全管理措置のルール

 マイナンバーを理解する時、これら4つの項目のどの部分の話なのかをイメージすればすっきり整理して理解できます。

では、マイナンバーの「利用・提供」と「保管・廃棄」のポイントについて見ていきましょう。

 

「利用・提供」 中小企業は税・社会保障に関する手続書類に従業員等のマイナンバーを記載

マイナンバーは法律で定められた利用目的以外に利用・提供することはできません。

法律で定められた利用・提供とは例えば次のような場合です。

 税関係  源泉徴収票・支払調書・給与支払報告書など
 雇用保険関係  被保険者資格取得(喪失)届など
 健康保険・厚生年金関係  被保険者資格取得(喪失)届など

従ってマイナンバーを社員番号や顧客管理番号として利用することはできません。

また健康保険・厚生年金については平成29年1月1日以降提出分、それ以外は平成28年1月1日以降にかかる書類からマイナンバーを記載することになります。

繰り返しになりますが、「税」と「社会保障」以外の目的で利用することは禁止されていますので注意してください。

例えばレンタルビデオ店で新規カードを作る際に身分証明としてマイナンバーをコピーすることは違反になります。 

 

マイナンバーの「保管」は必要がある場合だけ可能

次に「保管」について

マイナンバーが書かれた書類は税や社会保障の手続きについて必要がある場合のみ継続的に保管することが可能です。

例えば、

・雇用契約が継続した関係にある場合(休職中も含みます)

・土地の賃貸借契約が継続している場合(支払調書の作成に必要であるため)

などが含まれます。

一方、従業員番号にマイナンバーを用いて管理・保管することは、税や社会保障手続き以外での保管となりますので、認められません。

 

マイナンバーは必要がなくなれば速やかに「廃棄」、「廃棄」は復元できない方法で

次に、「廃棄」について。

社会保障や税の書類作成する事務をしなくなった場合や、法令によって一定期間保存の義務があるものは、その期間が過ぎるとマイナンバーを廃棄しなければなりません。

税務における書類の保存期間は7年のものが多いですね。

 

【いつ?】

「廃棄が必要になった場合は毎年度末に廃棄を行う」など、廃棄のルールを事業者で決めます。

保存期間が7年の書類の場合、7年と1日を過ぎれば即アウトという訳ではありません。

事務の効率化を考えてルールを決めましょう。

 

【方法】

紙資料の場合、クロスシュレッダーなど復元できない方法で廃棄しなければなりません。

 

【廃棄の記録】

マイナンバーを廃棄した時は、廃棄した記録を残しておきましょう。

記録する内容は、廃棄したファイルの種類・日付・名称・責任者などです。

 

まとめ

いかがでしょうか?

今回はマイナンバーの「利用・提供」と「保管と廃棄」についてでした。

気を付けるべき点は、

税と社会保障以外の手続きに利用提供することはできない

・保管や廃棄についてのルールを決めておく

・法令で決まっている保管期間を過ぎれば廃棄しなければならない

・廃棄した時には記録を残しておく

といったことです。

マイナンバーは特に重要な個人情報であることをもう一度認識し、慎重な取り扱いをしましょう。

今回ご説明した内容は内閣官房のホームページより資料のダウンロードができますので、参考にしてください。↓

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/kouhousiryoshu.html

次回は「マイナンバーの安全管理措置」についてです。