おはようございます。
神戸を中心に活動している税理士・公認会計士の押田大輔です。
いつもコラムをお読み頂き、ありがとうございます。
中小企業の社長はさまざまな悩みを抱えていますが、集約すると「人・モノ・カネ」になると言われています。
社長へのアンケート結果によると、それらの中で圧倒的に多い悩みは「人」に関する事でした。
今回のコラムは「人」に関する悩みのうち、採用の部分について解説します。
良い人材とは?
「募集を出しても良い人材はうちには来へんわ」と悩む社長は多いはずです。
そんな社長に「良い人材とはどんな人ですか?」とお聞きすると、「大学卒業して優秀で仕事が出来る人」といった答えが返ってきます。
でもちょっと待ってください。
確かにそんな人を採用できれば理想ですが実際問題かなり難しいです。
「大学卒業して優秀で仕事が出来る人」の立場に立ってみて下さい。
そんな人が就職先を探す場合、きっと次のようなことを考えているはずです。
「名のある会社に入りたい」
「大企業でつぶれない会社に入りたい」
つまり、職を探している人はまずは大企業に行きたいと思っています。そして大企業に行けなかったから中小企業に行くという選択をしています。
誤解しないで頂きたいのは、中小企業が大企業より劣っていると言っている訳では決してありません。むしろ逆です。私は中小企業を支援していますが、本当に素晴らしい会社がいっぱいあります。
ただ職を探している人が持つ心理は先ほど述べたとおりです。
結局のところ、「大学卒業して優秀で仕事が出来る人」はなかなか中小企業に集まりません。今は売り手市場なのでなおさらです。それが現実です。
では、今の状況で良い人材を採用するにはどうすればよいのでしょうか?
採用の基本方針
良い人材を採用するには、まず採用に関する基本方針を社内で定めておくことが大切です。
「何だ、そんなことか」と言われるかもしれませんが、これはとても重要なことです。にも関わらず案外軽視されがちです。
採用の基本方針の中で最も重要な点は、「価値観を共有できる人を採用する」という点です。
資格や経験では採用しないようにすることです。
価値観は履歴書では判断できません。履歴書で判断することは、字の書き方くらいでしょう。
丁寧に書かれているか。もしくは書く意思が感じられるかです。本当にその会社に入りたい気持ちがあるなら丁寧に書くのが当たり前だからです。
では価値観とは何か?というとそれは自社のビジョンであったり目指している方向性ということになります。
あなたの会社では採用時に自社の価値観をきちんと伝えていますか?
スキルは磨くことはできても、人格を鍛えたり変えたりすることは非常に難しい。人格それ自体が才能のひとつであり、ダイヤモンドの原石を掘るように探し出して、企業哲学・理念という研磨機にかけて品格に仕上げていく。 リッツカールトン
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